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管理監督者の深夜労働と深夜割増賃金の考え方について

管理監督者の深夜労働と深夜割増賃金の考え方について

【管理監督者の範囲】

管理監督者については、労働基準法41条2号で労働時間、休憩、休日に関する規制を適用除外としています。そして、管理監督者の範囲について、通達で次のように言っています。

①労働時間、休憩、休日に規制の枠を超えて活動することが必要で、重要な職務
 と責任があり、実際の勤務の態様も労働時間の規制になじまないような者に限
 ること。

②管理監督者の範囲を決める際には、資格や名称にとらわれず、職務内容、責任
 と権限、勤務態様といった実態に基づいて判断すること。

③賃金や賞与等の待遇面で一般の従業員と比べて優遇措置がとられているか否
 か。

大きくは、これらの視点で適用除外の管理監督者かを判断していくことになります。


【深夜割増賃金の支払方法】

労働時間、休憩、休日に関する規制の適用除外となる管理監督者ですが、深夜労働については適用除外とされていません。したがって、もし深夜労働をした場合には、深夜割増賃金が発生します。

そこで、深夜割増賃金の支払方法ですが、2つの方法があります。

①実際の深夜労働時間に応じて支払う方法

深夜労働時間に対応する通常の労働時間の賃金×1.25により算定した額を支払うことになります。

②役職手当(管理職手当など)の中に深夜割増賃金を含めて支払う方法

通達で、役職手当(管理職手当など)の中に深夜割増賃金を含めて支払う方法について、労働協約、就業規則その他によって深夜業の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には、別途に深夜業の割増賃金を支払う必要はないと言っています。

この通達の「含む」の意味ですが、単に就業規則等に「管理職手当は深夜割増賃金を含む」とするだけでは、深夜割増賃金分がいくらなのかが明確ではないので、少し弱いと考えます。そこで、就業規則の賃金規定のところに

1 役職手当(管理職手当など)は10万円とする。
2 前項の役職手当(管理職手当など)のうち2万円は深夜勤務手当として支給する。
3 前項に定める役職手当(管理職手当など)を支給された従業員について、第1項
 に定める役職手当(管理職手当など)の額を超えて、深夜割増賃金が発生した場
 合には、別途その差額を深夜勤務手当として支給する。

と定めることにより、深夜割増賃金分がいくらなのかが明確となり、また、実際の深夜割増賃金が深夜勤務手当を超えた時の支払についても明確となり、本来の割増賃金の計算方法での額を下回ることが無くなるため労働基準法に違反しない運用となります。

なお、管理監督者の深夜割増賃金の計算方法での注意点としては、役職手当(管理職手当など)から深夜勤務手当を控除した分が割増賃金の計算上の「通常の賃金」に含まれることが挙げられます。


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2016/01/18(月) | 労務管理Q&A | トラックバック(-) | コメント(-)

時間外労働が深夜から翌日に及んだ場合について

時間外労働が深夜から翌日に及んだ場合について

平日の時間外労働が午前0時を超えて翌日に及ぶというケースは、交代勤務の場合や、繁忙期に発生するケースがあると思います。

この場合、翌日に及んだ労働時間は、いつの労働時間として計算されるのか、ちょっと疑問を持ちますよね。

行政の通達で、次のように言っています。

「一日とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいうものであり、継続勤務が二暦日に渡る場合には、たとえ暦日を異にする場合でも一勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「一日」の労働とすること。」

この通達から、たとえば労働時間が、9/2の午前9時が始業時刻で、時間外労働により、日をまたいだ9/3の午前2時に及んだ場合(休憩時間はお昼の1時間とする)は、その全実労働時間を始業時刻の属する9/2の労働時間として扱い、午後6時以降が時間外労働(1.25)となり、午後10時から翌午前2時までが時間外労働(1.25)+深夜労働(0.25)ということになります。

あまり多くはないとは思いますが、9/2が通常勤務で、9/3が法定休日(1週間に1日の休日)の勤務だった場合は、9/2の午後6時から午後10時が時間外労働(1.25)となり、午後10時から午後12時までが時間外労働(1.25)+深夜労働(0.25)午後12時から翌午前2時までが休日労働(1.35)+深夜労働(0.25)ということになります。


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2016/01/15(金) | 時間外・休日労働 | トラックバック(-) | コメント(-)

配置転換・転勤等の実務対応について

配置転換・転勤等の実務対応について

【基本的な考え方】

一般的な配置転換・転勤の命令権については、本来、雇用関係ということから当然に人事権として含まれることから、特に就業規則等に規定がなくてはできないものではないのですが、争いの余地もないわけではないので、就業規則にきちんと「配置転換・転勤を命じることがある」と規定し、さらに就業規則等を遵守する旨の誓約書を交わすことがリスク対策となります。


【労働者からの主張による裁判類型】

①職種限定の合意が存在するといった主張

職種限定の合意がされている場合は、使用者から一方的に配置転換・転勤等を命じることはできません。この場合には、従業員の同意が必要となります。そこで、職種限定の合意ですが、どんな場合に職種限定の合意が認められるかといった判断として次の点が挙げられます。

・新卒採用か中途採用か、募集時に示された労働条件、採用試験の内容、
 応募の条件といった採用の経緯

・職種限定の場合に、配置転換・転勤等の適用がない旨を定めた規定が
 就業規則等にあるか否か

・当該職務の専門性や資格の必要性等

上記のようなことから総合的に判断することになります。


②勤務地限定の合意が存在するといった主張

就労場所を一定の勤務地に限定するといった合意が成立している場合に、他の就労場所への配置転換・転勤等を命じるには従業員の同意が必要となります。そこで、勤務地限定の合意ですが、どんな場合に勤務地限定の合意が認められるかといった判断として次の点が挙げられます。

・本社採用か現地採用か、採用後に従事する業務内容の説明

・過去の類似ケースでの運用状況

・勤務地限定の場合に、配置転換・転勤等の適用がない旨を定めた規定が
 就業規則等にあるか否か

上記のようなことから総合的に判断することになります。


③今回の配置転換・転勤等は権利濫用だといった主張

これまで見てきました、職種限定や勤務地限定がなかった場合でも、権利濫用だとされるケースがあります。権利濫用とされるか否かの判断として次の点が挙げられます。

・配置転換・転勤等の命令に際しての、業務上の必要性の有無(人選の合理性
 も含めて判断)

・業務上の必要性が有る場合であっても、当該配置転換・転勤等の命令が他の
 不当な動機や目的でなされていたか否か

・従業員に対して、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであ
 るか否か(家族の介護や家族が転居困難な病気である場合は、不利益とされる
 可能性が高いです。単身赴任については、甘受すべき程度とされる可能性が十
 分ありますが、単身赴任によって経済的負担が増すことに対して経済的な配慮
 をすることにより、より否認へ傾くと考えます)

上記のようなことから総合的に判断することになります。

ここまで、3つの主張パターンを見てきましたが、これらを見ると「ちょっと、配置転換・転勤等の命令も簡単にはいかないんだなぁ~」と暗くなってしまいそうですが、原則的には、適正な理由があり、人選も適正で、きちんと従業員に説明して納得してもらえればいい話です。

とはいえ、今後の配置転換・転勤等の命令は、最近世の中でもかなり認知されてきています「ワーク・ライフ・バランス」という考え方が裁判例で重視される傾向がありますので、配置転換・転勤等を考えるときには従業員の背景を日常的に把握していくことが必要になってくると考えます。


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2016/01/14(木) | 労務管理Q&A | トラックバック(-) | コメント(-)

無断欠勤を続け、出社してこない場合について

無断欠勤を続け、出社してこない場合について

一般に、無断欠勤を続け、出社してこない場合には、就業規則の解雇事由として「14日以上、正当な理由なく無断欠勤した場合」という規定を設けています。

この「14日以上、正当な理由なく無断欠勤した場合」という規定は、どこから持ってきているかというと、労働基準法にある、解雇予告の除外認定の認定条件(認定条件自体は通達です)ではないかと考えます。この認定条件に「二週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合」とあり、ほぼそのままといったところです。

しかし、上記のとおり解雇として取扱う場合、問題が生じることがあります。それは、解雇というのは、会社からの一方的な意思表示によるものであり、この意思表示が従業員に到達することが解雇の効力発生の前提となるからです。一般に、無断欠勤を続けている場合、その従業員とは連絡がとれないことが多いため、意思表示の到達というのは事実上、難しいです。よく質問がありますが、郵便やメールでは、それが本当に本人に到達したのかどうか確認がとれないため認められていません。そこで、法律どおり、公示送達(官報に掲示してかつ、官報又は新聞に官報に掲示したことを載せること)ができるかといえば、費用もさることながら、広く世間に会社のことが伝わる恐れがあるため難しいことでしょう。

以上のように、無断欠勤を続けている従業員を解雇することは、なかなかハードルが高いと考えます。

そこで、無断欠勤を続けている従業員に対しては、就業規則に当然退職事由として「会社に連絡がなく50日を経過し、会社が従業員の所在を知らないとき」といった規定を設けて対処することが考えられます。ここで、50日としているのは、従業員が辞職の意思表示をした場合の民法(627条2項)での扱いを考慮したものです。このように規定することにより、辞職の意思表示があったとみなして退職という取扱が可能になるのではないかと考えます。


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2016/01/13(水) | 労務管理Q&A | トラックバック(-) | コメント(-)

テレワーク制度の導入について

テレワーク制度の導入について

【テレワークとは】

テレワークとは、パソコンやインターネットなどの通信機器や通信サービスなどを活用し、自宅などの会社以外の場所で業務をする働き方のことです。テレワークとしては、在宅勤務(内勤)、モバイル勤務(外勤)、サテライトオフィス勤務などがあります。

【テレワーク制度の導入のメリット】

テレワーク制度の導入のメリットとして次の点が挙げられます。

(従業員側)

・通勤による疲労の軽減

・電話などに邪魔されず、業務に集中でき、業務効率や生産性が上がる

・育児、介護、障害等の理由により、通常の勤務が困難な方の就業の可能性
 が増加する

・住む場所の選択肢が増加する

・地域とのコミュニケーションする機会が増加する

(会社側)

・災害時の事業継続性の確保に生かせる

・業務に集中でき業務効率や生産性が上がる

・通勤圏外の優秀な方を採用できるようになる

・執務スペース、通勤交通費、印刷などといったコストを削減できる

【テレワークに関する規定の作成】

テレワーク制度を導入するあたりましては、就業規則の整備とテレワーク規程の作成が必要となります。

①就業規則の整備

就業規則に定めるものとしては、ポイントが3つあります。

・人事異動として在宅勤務を命じることがある旨の規定を設ける

・労働時間が通常の勤務の方と異なる場合は別途、テレワーク勤務
 の方用の労働時間の規定を設ける

・インターネットの通信料などを会社が負担するのであれば、その支
 払いに関する規定を設ける

ここで、労働時間をどう管理するかですが、こちらも3つのケースが考えられます。

〈従業員の労働時間が算定できる場合〉

原則として、会社で働く方と同様に通常の労働時間制(1日8時間、週40時間)が適用されます。また、変形労働時間制(1ヵ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制)やフレックスタイム制の活用も可能です。

〈従業員の専門性が高く、仕事の進め方を任せた方がよい場合〉

専門業務型裁量労働制の活用が可能です。

〈どうしても労働時間の把握ができない場合〉

事業場外みなし労働時間制の活用が可能です。ただし、要件があり、それを満たすか否かの判断に難しいところがあります。要件は次の3つです。

・業務が自宅で行われること

・パソコンが使用者の指示で常時通信可能な状態となっていないこと

・作業が随時、使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと(業務
 の目的、目標、期限などの基本的な事項の指示やその変更の指示はいいこ
 とになっています)

 なお、事業場外みなし労働時間制を採用した場合の1日の労働時間は「所定
 労働時間労働したものとみなす」となっています。

②テレワーク規程の作成

テレワーク規程に定める項目としては次のものがあります。

・「テレワーク」という言葉の定義

・テレワークの対象者

・テレワークの対象業務

・テレワークの手続方法(申請と承認など)

・テレワークの解除規定

・労働時間、休憩、休日、休日労働・深夜労働、年次有給休暇

・出社日を指定することがある旨の規定

・賃金

・服務規律

・安全衛生

・テレワーク時の費用負担

・テレワーク時の連絡体制

テレワーク制度を実際に導入するには、いくつものハードルがあると思います。しかし、会社と従業員の双方にメリットがあり、ワークライフバランスから見ても、とても魅力的な制度です。じっくりとテレワーク制度に取り組む価値は十分にあると考えます。


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2016/01/12(火) | 労務管理Q&A | トラックバック(-) | コメント(-)

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